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「この間、この家の前を歩いていた時に、縁側に座って、ネコみたいに無防備に欠伸をしてる坂下くんを見て一目惚れしちゃったの。それから私は四六時中坂下くんのことしか考えられなくなっちゃって、少しでも近くで坂下くんのことが見たくなって、気が付いたらここにいたのよ」
「結構ガチ目のストーカーじゃないですか……しかもそんなオフのタイミングに一目惚れって、どのタイミングで恋に落ちてるんですか!」
「でも恋ってそういうもんじゃない? 坂下くんのことを見ていたら、突然雷に打たれたような衝撃が降ってきたのよ!」
なんだか女性の話を聞いているうちに呆れて我に返ってくる。とりあえず、坂下にこの女性の仲間だと思われるのも嫌なので、今更ながら僕は常識人としてふるまうことにした。
「もう諦めて警察を呼びましょうよ。ここに来てもらって、お互いに潔く警察のお世話になりましょう」
その言葉はあくまでもストーカーの女性に向けて言ったつもりだった。
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