0人が本棚に入れています
本棚に追加
総合的に見て突出して可愛くはないが、同年代の男子に私の事を聞けばそこそこの評価が得られる。
それだけの土台があれば後は表情と性格でどうとでもなる。
寧ろそれくらい少し隙がある方がモテるのだ。
男は皆馬鹿だから、こちらがわざと作った隙を罠だと気付かずに涎を垂らして飛び付いてくる。
視線一つでソイツが何を考えているかなんてすぐに分かる。
アタシは言葉の裏側に隠された本音と欲望を暴くのが何よりも楽しくて仕方がない。
どんなにクサイ台詞で取り繕っても、結局皆自分の欲望の捌け口を欲しがってるだけなんだ。
愛だの恋だのを振りかざして聖者の皮を被りながら生きる哀れな獣。
アタシはそんな光の中では生きられない彼等を優しく包む闇。
毎日が充実している筈なのに何かが足りない。
ふと沸き上がる仄暗い衝動に蓋をしている。
有りもしない妄想に囚われる自分を否定している。
あなたの居場所は何処?
あなたの望みは何?
あなたを心から理解してくれる人は誰?
自分自身ですら知り得ない自分を知る為の扉をただ軽くノックしてくれるだけでいい。
そうすれば後はアタシが開けて連れていってあげる。
今日もたくさんの獣達が扉を叩いている。
この扉の先では誰もあなたを笑わない。
誰もあなたを嫌悪しない。
だから怖がらないであなたの全てをアタシに見せて。
アタシはワンダーランドのアリス。
あなたの願いを叶える者。
最初のコメントを投稿しよう!