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紺色と水色
水色の髪を揺らして優雅に森を歩く女妖は、ボール遊びをしている犬のような耳が生えた妖の子供の兄弟を見つけ、笑顔で声をかけた。
「あらあら、初めまして。貴方達は子犬ちゃんの妖の兄弟かしら?」
ボール遊びを辞め、警戒したように兄の方が挨拶をする。
「初めまして、俺らは子犬じゃないです。狛犬の妖です。兄弟は合ってますけど。」
狛犬は諸説はあるが、獅子だと教えてくれる兄。見た目は犬と差程変わらないが。
弟の方はというと、兄の方へと駆け寄り、「初めまして…」と小さな声で言いながら兄の後ろに隠れる。
「あら、狛犬の妖だったのね。これは失礼したわ。あら、そうだわ。自己紹介がまだだったわね。わたくしは夕霧。貴方達は?」
「俺は沙紺、こっちは弟の朝緋です。」
夕霧は二人の名前を聞くと、「二人共、素敵な名前ねぇ♪」とニコニコする。
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