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直ぐに帰ってくるだろうと朝緋は本堂で待っていたのだが、辺りが暗くなり始めた頃になっても兄が帰ってこない。
ボール遊びしていた所へ戻ってみると、二人は朝緋がいた頃とは打って変わって、楽しそうに談笑していた。
「お兄ちゃん……?もうそろそろ帰らない?」
「朝緋、遅かったな。そういえばもう直ぐ日が落ちそうだな。そろそろ帰らないとまずいか……」
もう少し話したかったと沙紺がしゅんとしていると、
「あら、じゃあまた明日此処で話さない?沙紺くんのお話、もっと聞きたいわ♪」
「いいんですか?じゃあ、夕霧さんの話も聞きたいですし、また明日話しましょうか!」
と夕霧が提案する。
あまり懐かない沙紺が、犬のように懐いているのを、朝緋は珍しいなぁと思いながら「僕は明日、うさぎさんのところ行かなきゃ」とボソリと呟く。
「朝緋くんは来れないのね、じゃあ沙紺くんまた話しましょうか。もう日が落ちてきたし、もうそろそろお暇するわ。またね、子犬ちゃん達♪」
子犬じゃないです!という沙紺を、うふふと笑って夕霧は踵を返す。
それを見送って、沙紺達も帰っていく。
ふと夕霧は振り返って、帰っていく沙紺を見ると、
「あの子、面白そうね。次の子はあの子にしましょうか♪」
と呟き、帰って行った。
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