ベッド

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掃除してから夕霧さんのところへ行こうと早朝、沙紺は箒を持って本堂の前を掃除する。 数十分経っただろうか。落ち葉をあらかた片付け終わった時、ポツポツと水が空から降ってきた。 「ん、雨だ……これから大降りになりそうだし、これじゃあ外で話せないな……」 すると、和傘を持った影がコツコツ、と沙紺の方へと歩いてきた。 「あらあらぁ、早起きねぇ。おはよう、沙紺くん♡」 「あ、夕霧さん。おはようございます。夕霧さんも早いですね。」 「少し早く目が覚めたから外を散策していたの。傘を持って行って正解だったわぁ、着物が濡れたら困っちゃうもの。」 あら、そういえばと夕霧は約束を思い出す。 外で話そうとしていたが、沙紺が呟いた通り外で話すのは難しそうだ。 「生憎の雨になってしまったし…代わりに、わたくしのお部屋でお話しましょうか。」 「え、いいんですか?でも女性の部屋に入るのは迷惑じゃ……」 「いいのよ♡さぁ、行きましょ♪」 沙紺の背中を押して強引に部屋に案内する夕霧。 押さないでください…と言いながらも少し楽しそうな沙紺だった。
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