ベッド

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夕霧の部屋に案内される沙紺は、少しドキドキしていた。 女性の部屋に入るのは初めてだったからである。 「し、失礼しますー。」 「どうぞどうぞ〜♡」 妙に嬉しそうな夕霧を横目に、沙紺は部屋の雰囲気(自分の部屋とは真逆の現代っぽさ)に圧倒される。 照明が少し暗いのと、一際目立つ天蓋付きのダブルベッドが妙に艶かしい。 この部屋は俺が入っていいものなのか、と不安になる沙紺に夕霧が話しかける。 「ベッドにでも腰掛けて話しましょ。そんな固くならないで。リラックス、リラックス♪」 沙紺の耳元で囁くように話す夕霧に、沙紺は「からかわないでくださいよ!」と真っ赤になりながら耳を押さえて言う。 ベッドはふかふかで、沙紺が愛用している布団とはまた違った感じだった。 寝っ転がったら気持ちいいだろうな、と思っていると、 「ふふ、寝っ転がってもいいのよ?」 と夕霧が言う。 「な!?俺の心が読めるんですか!?」 「声に出てたわよ♪」 またしても真っ赤になる沙紺だったが、好奇心には勝てずに、初めてのベッドに「失礼します……」と言いながら横になる。 布団よりもずっとふかふかで、いい匂いがする。
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