CAPE COD MORNING

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じき待ちに待った愛しい人が帰ってくるだろう。 兄の親友で、私の婚約者。 2人とも数年前に出兵した。 戦地からの便りが届く度、胸が締めつけられた。 忌まわしい内容でないかドキドキした。 封を切れば、私への想いがあふれた文面。 何度も何度も読み返し、切なくなった。 同じように戦争に行った若者達も続々と帰郷している。 兄達ももうすぐの筈だ。 我が家へ続く道に車の音がする度、朝から私は身を乗り出して窓の外の眺める。 先日母にたしなめられた胸が大きく開いたサマードレス。 彼を思って持て余した女の軀を包みこむ。 無事を知らせに我が家に彼が来たら私を一目見て、熱い抱擁を交わしキスの雨を降らせ、父と母に隠れ私にむしゃぶりつくだろう。 兄達の帰りをいち早く知る為に、今日も朝早くから両親は港に行っている。 兵士を乗せ帰還する船の情報を集めてる。 私の、私達家族の留守番も後わずかだと祈りながら。 (完)
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