脱・日陰女子。

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『じゃぁ勝手に話を進めちゃダメでしょ!』 …とも言えないのが私。 話を聞いた美容師らしき女性に強引に椅子へと誘導されてしまい、この状況では予感しか思い浮かばない。 けれど聞かずに“ビフォーアフター”は もっと怖い。 美容師から受け取った私のカルテ(美容師メモ)に真剣に目を通す彼。 「一応聞きますけど…  私は今から何を…?」 そんな彼に声を掛けると。 「んー  とりあえず大変身?かなぁ」 軽い感じに答えてくれたはいいけれど 嫌な予感が色濃くなり ほぼ答えが見えている以上  遠回しは不要な気がした。 「大変身…って  つまり見た目を変えるつもりです?」 「そそ、イメチェン。  あの社長にあれだけ言われたしね」 最初は言ってる意味がわからなかった。 だけどまるで自分の事のように どことなく怒っているのは目でわかる。 「何もわかってない人間にバカにされると  無性にイラつくし悔しいじゃん。  俺そういうの嫌いなんで。」 「嫌いなんでって…  別に貴方が言われたワケじゃ…」 そもそも怒る必要がないと思う。
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