事の発端は。

7/13
前へ
/175ページ
次へ
呼ばれた事で反射的に振り返りと 長身の彼が私を見下ろしている。 「え、私…です?」 そう尋ねると 彼は小さくコクリと頷き じーっと見つめてくる。 (なになに、なんなの?) 他人にジロジロ見られるのは好きじゃないんですけど。 「…顔色が悪いのは  見た目の問題?」 「・・・は?」 突然何を言い出すかと思えば 真顔で失礼な質問をされた。 「こういう顔なので、すみませんね」 なぜ私が謝らないといけないのか まさか初対面で男性に顔面全否定されるとは思わなかったから、軽く衝撃。 「…そう」 「まだ何か?」 さっきかずっとマジマジと。 そんなに文句があるですか。 人の顔を散々観察した挙句。 「ちょっと失礼」 「ッ!?」 驚くのも束の間 彼はいきなり私の顎を“クイッ”と持ち上げ… (これがいわゆる顎クイ?) 「肌質もパーツも悪くないから  じゃないか」 感想の言葉なのか 1人で納得、完結している。 「ちょッーー」 「そのままでいて」 離れようと抵抗する私を遮って (おもむろ)に眼鏡を外され。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加