Children2

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Children2

仕事をする父の背中を見つめる。 絵描きは楽しいけど、偶に父が恋しくなる。ぶっちゃけ構って欲しい。しかし、集中しているところを邪魔してしまうのは申し訳ないので抱きつくのはやめよう。 『…………。』 絵描きも少し飽きてきたので室内を冒険してみることにした。 とは言っても父が安全を考慮した為、行ける場所が限られている。部屋の隅やテレビの裏に潜んでみたり、あてもなく部屋中を歩きまわる。 そして、まだ行ってない台所に足を踏み入れる。 大抵のものは食器棚に入ってしまっているので、物が少ない場所になってる。 面白いものがないか探していると、ミニテーブルの上に緑色の袋が見えたので取ろうとした。 『わっ。』 袋の封が開いていたようで、中身の茶色の粉を頭から被ってしまった。 しかし、甘い香りとサラサラした粉が触り心地がよく楽しくなった。落ちた粉を拾い上げて再び頭から被ってみる。頭に降り落ちる感覚が楽しくなり何度も何度もやった。 「そこにい…。」 夢中になってて父の気配に気がつくのが遅れた。 声の方向を見ると、固まっている父が立ち尽くしていた。 『ッ……………!』 やばい。これは確実に怒られる。 この粉は取り上げられて届かないような場所に置かれて二度と触らせてもらえないだろう。 最後にもう一度だけ頭から粉を被って感触を楽しんだ。 しかし、父は怒らず何処かへ行ってしまった。 『………?』 しばらくすると、カメラを携えた父が現れた。 そのまま無言で粉まみれの私を何回か撮影し始める。 「………よし。」 よく分からないが、納得いくようなものがあったようだ。 その後、予想通り粉物全般は隠された。 しかし、この粉まみれ事件の写真が思い出として残るのは想像つかなかった…。
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