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Guardian2
「海藻になりたい…。」
いかん。自分でもよく分からないことを言い始めた。
今日は非常にやる事が多い。
在宅の仕事ではあるが、書類業務、来月の日程管理、それに加えて家事など様々である。
娘はテーブルの上に白いノートを開いてクレヨンや色鉛筆を使ってお絵描きをしている。
最近、絵を描くことがマイブームらしい。夢中になって描いてくれているので、こちらも仕事に集中できるので助かる。
さぁ早く終わらせて夕飯の準備をしないとな。
□
「……静かだな。」
仕事を始めて1時間経っただろうか?
鉛筆やクレヨンを擦る音が聞こえてこず娘が座っている方向を見てみる。
「ヨーン?」
しかし、娘の姿はなかった。
危ない場所には行けないようにしているが、油断はできない。
一旦作業を中断して周りを確認する。子供が静かな時は嫌な予感しかない。
部屋の隅、テレビの裏、天井にはいない。
「そこにい……。」
台所を覗き込むと、確かに娘はいた。
成長期の子供に必要なたくさんの栄養を含み、牛乳に溶くと美味しい大地の恵みミロの粉末を頭から被った娘がいた。
『ッ……………!』
私と目が合った娘は分かりやすく固まった。
そして、真顔のまま目が合った状態で再び頭から粉を被った。
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