知恵袋

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 祖母は一気にそう話すと、優しく微笑んだ。  ちょうどCMが明け、時代劇が始まる。  そうなのだ。  祖母は、知恵袋は知恵袋でもヤ〇ー知恵袋のように、質問をすれば必ず良い回答をくれる人。  しかもいつ何を聞いてもベストアンサ―をくれるのだ。  私は時代劇が再びCMになるのを待ち、それからこう言った。 「おばあちゃん、ありがとう」  自室に戻ろうと立ち上がると、スマホから聞き慣れた音が聞こえた。  ラインの画面を見れば、祖母からのメッセージだ。  そこにはこう書かれてある。    せっかく回答してあげたのに、5分以内にお礼がなかったねえ。    お前もかーい。    心の中でツッコミを入れて祖母を見る。  祖母はこちらを見てニヤリと笑った。
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