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「きく。帰りましょ?」
HRが終わると蒼菜が声をかけてくる。
入学式の日以来、蒼菜と私は仲良くなった。
というか、蒼菜が私にくっついてくる。
「いいよ。」
毎日2人で登下校。移動教室も一緒で放課後も2人。
蒼菜は私が驚くほど素直な子だった。
嘘をつけない性格で、博愛主義者。どこぞのお嬢様らしく、清楚でどこかおっとりしている。
私にとって蒼菜のそんな性格は新鮮だった。
「今日は大きなチョコケーキが食べたいの。」
彼女は花のように綺麗に笑う。
私は蒼菜が笑う姿が好きだ。蒼菜が笑うと花がひらく。
「うん、じゃあ私はチーズケーキを食べようかな。」
控えめに笑う。
私は蒼菜に引け目を感じていた。
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