【煌めきLEVEL/00】

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【煌めきLEVEL/00】

朝起きてから、必ずする事と言えば…… 「よし、今日もあった!!」 机の引き出しを勢いよく開けて、通帳を確認する。 キュッと両手に包み込んで、胸に充てる。 大事な、大事な宝物。 お金が無くなったら、全ては…… “終わる” 確認を済ませてから、日の光が隙間から射し込んでいるカーテンに触れて、一気に開ける。 シャーッと言う軽快な音を出しながら、横滑り。 過去を封印した今は、カーテンも勢いよく開けられる程になった。 以前は、日の光も疎ましい程に朝が怖かったから―――…… 「さてと、活動しますか……」 ボソリ、と一人呟いて、タオルを持って顔を洗いに行く。 顔を洗う前に鏡を見る。 “大丈夫、今日も素っぴんでも可愛い” ……と、自分に言い聞かせてから、洗顔フォームを顔に塗りたくる。 泡をクルクルと顔の上で滑らせ、水で流し、泡が落ちたら、モチモチの肌の感触を楽しむ。 化粧水をつけると、吸い付くように柔らかいモチモチ肌…自分の肌なのに堪らない。 ―――そう、お金があれば何だって出来る。 人の心だって、手に入るかもしれない。 例えば、それが偽りだとしても… 夢を見せてくれるに違いない―――……
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