八月二十六日(木曜日)

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「朝……か」  俺はベッドの上で寝ぼけた頭を叩き起こしながら、ベッドから一度降り、カーテンをザッと開け放ち、外の風景を見て、一度大きな吐息を漏らしてベッドに座った。  目の前のハンガーには男物の制服が掛かっている。どうやらまた俺はこの制服を着て学校に行かなければならないらしい。  未だに学校に行くという概念に慣れない。  それはこれから先もきっと同じだろう。  俺はハンガーに掛かった制服に着替え、階下へと降りていった。 「あら、圭一(けいいち)?  今日も早いのね。また部活?」  リビングには俺の母親らしき人が俺に話しかけてきた。 「ああ」  俺は玄関で靴を履きながら彼女に返事をした。本当のところは、部活なんて行かない。  いや、正確に言えば俺自身部活に入っているのかも分からない。第一学校になんて行っているのだろうか?  しかし、彼女の反応を見る限り、俺は学生という立場なのだろう。 「そういえば、今日って何日だっけ?」  俺はそう尋ねた。  
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