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勝手に想像して勝手にキレてる私のことなんて知らない和泉君は、「ねぇねぇ」と私の顔を覗き込んでくる。 「和泉君は……好きなことないの?」 「は?」 彼にとってみれば脈絡のない質問に目を見開いている。 誰と居ても花が開かない。楽しそうに笑っているのに。 休み時間に男子たちとゲームをしていても、可愛い女子と話していても。やっぱりその花は咲いていない。 「何でいきなりそんなこと訊くの?」 「……その、本気で好きなことないのかなと思って。ごめん」 触れられたくない部分だったのだろうか。表情が固まった気がした。確かに失礼なことを言った自覚はある。 「ないかもね」 「え?」 「本気で好きなこと、ないかもね。千葉さんは?」 「私は……」 和泉君だけじゃない。私も同じ蕾だ。 だけど、私だって笑うし楽しいと思うこともある。
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