ーー

11/22
前へ
/22ページ
次へ
「おーい太一! 協力プレイで行こうぜ!」 「分かった!」 和泉君を探していたらしいクラスメイトに呼ばれ、和泉君はその場を立ち上がった。 「また女か?」 「えぇー、あたしがいるじゃーん!」 「そんなんじゃないよ。落とし物拾っただけ」 シレッと嘘を吐いて笑っている。腕に絡みついている女子を見下ろして穏やかに。 それでもやっぱり咲かない花に、何が蕾のままにさせているのかと疑問に思った。 「ねぇ有栖! 見てよこれ!」 弥生がスマホを持って近づいてきた。 「有栖? ……和泉?」 「え? 違うよ、時間割見てただけ」 視線の先を辿った弥生に慌てて否定し、差し出されていたスマホの画面を覗き込んだ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加