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「おーい太一! 協力プレイで行こうぜ!」
「分かった!」
和泉君を探していたらしいクラスメイトに呼ばれ、和泉君はその場を立ち上がった。
「また女か?」
「えぇー、あたしがいるじゃーん!」
「そんなんじゃないよ。落とし物拾っただけ」
シレッと嘘を吐いて笑っている。腕に絡みついている女子を見下ろして穏やかに。
それでもやっぱり咲かない花に、何が蕾のままにさせているのかと疑問に思った。
「ねぇ有栖! 見てよこれ!」
弥生がスマホを持って近づいてきた。
「有栖? ……和泉?」
「え? 違うよ、時間割見てただけ」
視線の先を辿った弥生に慌てて否定し、差し出されていたスマホの画面を覗き込んだ。
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