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ーー 「ねぇ千葉さん」 「うっわ!」 「あはは! その驚き方面白いね」 心臓辺りに花が見えるようになって1週間が経った。 掃除当番が終わって帰ろうと自分の自転車に鍵を挿していると、背後から和泉君に声を掛けられた。 カッパを着た私とは違って彼は傘をさしている。 「ねぇ千葉さん。これから暇?」 「……そうっすね。暇っすね」 「何か言いたそー」 「女遊びに忙しいんじゃないの?」 「何で? おれ別に女の子が好きなわけじゃないよ?」 所詮噂は噂か。本人を知らない私からすれば、その噂が流れるようなことを彼がしているのだと思うしかなかった訳だが……。 まぁ、実際のことには興味ないしどうでもいいんだけど。 「私といたら勘違いされるよ」 「だから、別に女の子が好きなわけじゃないってば」 そう言い訳してくるあたり、自分の評判は知っているらしい。 「自転車取ってくるから、待ってて」 言い残してその場を去って行く和泉君。私は従うことなく学校の敷地を出た。だって和泉君と話している間も視線を感じたし。モテ男さんと話すと周りが怖いね。
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