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「もぉー! 待っててって言ったのに」 私を追いかけて学校から出て来た彼は、私を見つけるなり牛になった。 「だから待ってた」 「普通あの場で待ってない?」 「周りの目が怖かったもので」 「そう?」 「無自覚恐るべし」 私の言葉にお腹を抱えて笑っている。心なしか目じりに涙を浮かべている。いつも固く閉じている蕾は、どことなく緩んでいるように見えた。 「それで、私に何か用?」 「そうそう実はね。前に千葉さんから好きなことないの? って聞かれてから上手く笑えなくなった気がしてさぁ。責任取ってもらおうかなって思って」 なんじゃそれ! 私のせい? っていうかいつも普通に笑ってるじゃん! 楽しそうに笑ってるくせに今更なんだよ! 不満が顔に出ていたのか、彼はクスクスと笑っている。 「今からおれに付き合って」 「どこに」 「んー、ゲーセン行きたいなぁ」
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