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「話があるんだ」
「ナンデショウカ」
やっぱりお昼のことを怒っているのだろうかと身構える。
私の片言に彼は少しだけ肩の力を抜いた。
「お昼の質問。おれに訊いたでしょ? 心の底から好きなことできたのかって」
訊きましたね。やっぱり怒らせてた?
「その質問の答えをします」
急に畏まった調子で言葉を続けた。
彼の胸を見ると、蕾がかなり開きかけている。
「うん」
小さく頷くと、彼は口を開いて息を吸った。
「おれ、千葉さんが好きだ! 本気で、心の底から好きだ!」
その言葉を口にした瞬間、和泉君の心臓のキャンディタフトが一瞬で花開いた。
パッと一気に咲き誇ったその花は、活き活きと輝いている。
ーー花言葉は『心を惹きつける』だよ!
弥生の言葉が脳裏を過った。
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