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「秋の心臓の白い花、なんだろう?」
花弁がたくさんあった花を思い出しながら階段を下りてリビングに入る。
新聞を読む父さんにもご飯を作っている母さんにも花がある。秋と同じ白い花。
私には見たことのない花だ。可愛らしい花だと思うけど……。
「なんなんだろ」
「おはよう有栖ちゃん。どうかしたの?」
「あ、いやー。何でもない」
「さっきから変なんだよ。ついに脳内が花畑になったんだよなー?」
「秋ちゃん、そんなこと言っちゃだめよ?」
母さんに諭されても素知らぬ顔で食パンを齧る金髪もとい秋。私は秋の隣に座って母さんが作ってくれた朝ご飯を食べた。
考えていてもこの花が何かは分からない。どうやら皆には見えてないらしいし。
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