信仰を貪る魚

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 私は、歯を一本ずつ、一本ずつ、池に入れる。  泣きながら、歯がぽちゃんと池に落ちてゆくのを見ている。  震えながら。一人で。 「ないしょね」  消え入るような、小さな声で。  誰にも聞こえないように、池に向かって、囁く。  ぼちゃん。ぼちゃん。  小さな水しぶきがたつのを、黙ってみている。  ぼちゃん。ぼちゃん。  それはどんどん沈んでいって、やがて見えなくなった。
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