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真理ちゃんが、殺した?
「石の下とかに、いっぱい隠れてるんだよ」
ごろん。ごろん。
真理ちゃんの手の上で、ダンゴムシが転がる。
ダンゴムシが、私に助けを求めるように、無力に転がる。
昨日、廊下で、必死に跳ねていた魚。
”信じて。信じて。私を信じて。”
また、そう言った。
「真理ちゃん、今日も私のお家で遊ばない?」
そう言うと、真理ちゃんは嬉しそうに笑った。
「ほんとう? 楽しみ」
真理ちゃんが、ダンゴムシを道端に捨てた。
”信じて。信じて。私を信じて。”
その声が、止まなかった。
***
その日の放課後、真理ちゃんと一緒に帰った。
今日は何しよう。
土に埋まっている幼虫を掘り起こす。花の蜜を吸う。
蝶々を追いかける。スイカの種を埋める。
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