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「海でも、見にいっか」
一時間ほどたってもまだ落ち着かず、ソワソワしていた僕に、おじいちゃんが言った。
海。その言葉に胸がざわつく。すぐ近くにあるのだろうか。見てみたい気もした。しかし、おじいちゃんと二人っきりになるのも怖い。
「ああ、行ってきなさい。晩御飯まで時間あるから」
母の言葉に、僕は思わず顔をしかめた。断りにくくなってしまった。
おじいちゃんは「行くぞ」と言って、サンダルをつっかけて、外へと向かう。僕は慌てて靴を履き、おじいちゃんの背中を追う。
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