思い出の錦江湾

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*****  僕は大学生になり、神戸の学校に通っていた。大阪の家から一時間かけて電車で通い、講義が終われば、一時間かけて帰るのだ。高いところを好み、冒険が趣味だった小さい頃とは打って変わり、淡々と日々を過ごし、波風が立たない日常を欲していた。  鹿児島には、あれ以来行くことはなかった。父の会社の経営が傾き、日々の暮らしでいっぱいいっぱいで、鹿児島に行く暇もなかったのだ。
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