エピソード3

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エピソード3

怒鳴ってしまった. けーちゃんは一つのことに集中すると, その事だけになってしまう時がある。 今日はカウンセラーが集まる懇親会。 クリーニングに出してたスーツを着ていく予定だった。 朝— 「あぁ、スーツクリーニングだ」 「あっ、じゃぁ私取りにいっとくよ」 「本当?じゃ6時に出るから、 その前に取りに行ってくれる?」 「うん、昼間のうちに行っとく」 そんな会話をしたのに、 けーちゃんはすっかり忘れていた。 いそがしかったから、 メモにやスマホの予定に入れなかった僕も悪いけど…。 帰って来たら、のんきにテレビ観てた、 けーちゃんにもイライラしたしかもにこやかに 「お帰り、早かったね」とかいっちゃって! 「けーちゃんが自分でいったんじゃん! 昼間のうちに取りに行くって!」 もう時間がないし、 さらにイライラしてあたってしまう。 「…ごめんなさい」今にも泣きそうだけど、 泣きたいのは僕も同じだ。 「もういいよ。 クリーニング屋さん寄ってから車で着替えるし!」 こんなことなら、 途中でクリーニング屋さんに寄ってくればよかった。 しゅんとしてるけーちゃんに、 なんかいろいろが爆発して、 「もう!大人なんだからちゃんとしてよね! そんなんだから子どもたちともうまく出来ないんだよ!」 そういってしまった。 イライラに任せて家をでた。 懇親会場についてしばらくしてから思い返す。 あぁ言っちゃいけないこと言っちゃった。 猛省する。 確かにここ何日か、 けーちゃんがだらけているなと思っていたし、 自分は忙しいのにいろいろきちんと効率よくこなせてたから、 たまってたのも事実。 でもけーちゃん仕事で行き詰まってたのも知ってる。  あぁ、今日は感情のままに怒っちゃったなぁ。 でも僕だって努力してる。 言い訳とか現状とか感情がごちゃ混ぜだ。 美味しそうな食事も、 貴重で楽しい時間もなんだか上の空になってしまった。
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