エピソード5

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

エピソード5

僕はいろんなことに挑戦したいタイプで、 よく言えば『多才』です(笑)。 あっちこっち手を出して、 チャレンジするのが好きなだけなんですけど…。 そんな僕をけーちゃんは、 『すごいね』と誉めてくれることが多いです。 割といろいろ手伝ってくれるけど、 “小さな畑”は、けーちゃんにはまらなかったみたい。 『畑仕事はあんまり好きじゃない。虫いるし』 といっていた。 けーちゃんのご両親は、 "農家"といってもいいほど畑好きなのに、 なんでだろうと思っていました。 『だから嫌なの』というけーちゃん。 『大変なこともめんどくさいことも知ってるから、 やりたくない』ということらしい。 けーちゃんらしい、と笑ってしまう。 そんなけーちゃんも、 収穫はやっぱり嬉しそう。 「いいとこどりじゃん」 収穫だけなんとなく手伝うけーちゃんに、 僕は愚痴を言ってみますが、 それでも手伝ってくれるのはありがたい。 「ねぇねぇこれ何して食べる?」 けーちゃんの頭の中では、 もう食卓の一歩手前まで行っているようです。 「そうだね、たくさんとれたから、 いろいろ作れるかもね」 けーちゃんが楽しく作業出来るように、 僕も食卓(そっち)に近寄ります。 でも、けーちゃん料理苦手だよなぁ。 それでも楽しそうに料理の名前を挙げながら、 収穫のお手伝いを頑張ってくれるけーちゃんに、 余計なことは言わないでおきます。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加