エピソード6

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エピソード6

けーちゃんはミーハーです。 これは障害とか関係ないのかもしれないけど、 とにかく広く浅くな感じです。 このアーティストのこの曲が好き、 とか、このお店のこのメニューが好き、 というだけで、『お店』や『アーティスト』を 固定して深く推すって感じじゃない。 でも、アイドルやYouTuberに、 キャーキャー言ってたりします。 はじめのころは、 『僕 浮気されちゃう?』とか、 『僕もすぐ飽きちゃう?』とか、 なんだか複雑な気持ちでした。 男女問わず、人間、動物、物、 ジャンルを問わずいろんな物に興味を示します。 僕が横にいるのに、 アイドルをみて目を輝かせてる時があるから、 たまに腹が立ちます。 でも、テレビ見ながら疲れて、 僕にもたれて寝落ちしたりします。 幸せそうな寝顔に、 「もしアイドルの夢見てたら許せない」 と言いって、前髪をちょっと引っ張ります。 「痛いよ、統二」へ?起きてる? ちょっと焦って、 横目でけーちゃんの顔を覗きますが、  にこやかにすやすや寝ています。 胸を撫で下ろしてから、 寝てても僕のこと考えてるけーちゃんに、 ちょっと…いやかなり満足します。 けーちゃんはあきっぽいから、 次から次に気持ちが飛び回ります。 ミーハーですからね。 でも僕を拠点に走り回るけーちゃんを、 僕は、今日も大好きです。
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