エピソード2

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そんなことを考えてたら、 ぽーっとしてるように見えたみたいで、 「パジャマ着ないと寒いよ」 とけーちゃんが近づいてきた。 「あぁ、うん」 と言ってけーちゃんの頭をポンポンした。 甘えたいのに子ども扱いしてほしくない。 男としてけーちゃんにとって、 頼りになる男でいたいの…。 けーちゃんばっかり自由でずるいと思ってしまう。 僕は一体どうしたいんだろう? ズボンをはいてシャツを着て振り返る。 と けーちゃんが突然、ぎゅっと抱き締めてきた。 「何してるの?」突然のことに驚いていると、 なぜか頭を撫でてくる。 「けーちゃん?」顔を見たくて離れようとしても、 割としっかり抱きついている。 「ねぇどうしたの?」 と仕方なくそのままで尋ねると、 「統二頑張ってるから。 わたしも何かしてあげたいけど」 頭を撫でながら話し出す。 「何していいかわからないから…」 あぁ、なにこれ? もしかして僕、甘やかしてもらってるの? 「これじゃ何の足しにもならないかなぁ? 逆に私のご褒美だよねこれ?」 はい。安定の迷走がはじまった。 でも、今日フリースクールでを見かけてから、 けーちゃんに甘えたかった僕は、 この際だからちょっとお願いしてみる。 「じゃぁさ、膝枕してくれる?」 一瞬驚いたあと、嬉しそうに笑って、 「どうぞ」とローソファに座るけーちゃん。 遠慮なく膝枕してもらう。 少しふくよかなけーちゃんの太ももに、 頭をあづけて目を閉じる。 けーちゃんが優しく頭を撫でてくれる。 あぁこういうのいいなぁ。 たまには甘えるのも悪くない。 年上だとか年下だとか、男だから女だからとか、 そう言うの考えなくていい。 それは僕の奥さんが“けーちゃん”だから。 「朝はごめんね」 突然のけーちゃんの謝罪。 「統二が忙しいの知ってるのに。 私、自分のことばっかりで」 けーちゃん…。 僕は視線だけけーちゃんに向ける。 「僕はそんなできた人間じゃないから、 けーちゃんの思い通りにできないけど、 でもちゃんとずっといつも、 けーちゃんのこと好きだし大事だから」 起き上がってけーちゃんをまっすぐ見る。 「それだけは…信じて」 そう言うとけーちゃんは、 やっぱりニッコリと嬉しそうに笑って、 「うん」と言った。  「たまには今みたいに甘えてもいい?」 「まぁ、たまにはね」 とイタズラに笑うけーちゃん。 ホントに甘えてもいいのかなぁ?
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