0人が本棚に入れています
本棚に追加
第8話 クロックワールド『失われる贄』
生贄と共に
世界の終わりに立ち並んで
崩れ行く大地を見下ろす
刈り取られた命の分だけ
幸福が減っていって
目前で 伸ばした手をすり抜けて
消えていった
作られた 箱庭で過ごした記憶が消えていく
淡く 儚く 輝きながら
鮮血をこぼして悲鳴を上げて
幻想を見た分だけ傷つけられた
夢を見ていた事すら 後悔して
幸せへと繋がる 小さな扉を閉じた
海原に広がる 青
天井に白くのしかかる 雲
どこまでも生い茂る 緑
草原に咲き乱れる 命の花
安らかに眠らせて
何も知らない 次の私の為だけに
最初のコメントを投稿しよう!