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千隼はそれを俺の価値だと言っているのだろう。
「足りない時はオレが満たしてやる。修哉が望むことを、何だってしてやれる。くだらないことで悩むのをやめろとは言わないが、人生は楽しんだもん勝ちだ」
人懐こい笑顔を浮かべ、俺の唇を舐める。熱い舌の感触で反射的に口を開ける。
「んふ、ぅ」
何度も、何度も、隙間を埋めるように重なる唇と、口内を余さず舐める舌の動きに、頭の芯がジクジクと熱を持ち始める。
「は、ぁ…ち、はや」
徐々にエロいことしか考えられなくなってくる。結局誰が相手だって、チンコは勃つしケツは疼くのだ。俺という、性に奔放で卑しい存在は相手が誰だって同じだ。
千隼の手がシャツの下へと侵入して、弄るように這い回る。俺の淫乱な下腹部は、きっともうドロドロに体液を垂れ流している。
千隼が俺の足を持って体を反転させる。尻を突き出す格好も、いつからか恥ずかしいなんて思わなくなった。早く挿れて欲しくて、背中を這う千隼の手も舌もただもどかしい。
「ちはや、ぁ、はやく、挿れろよぉ」
たまらず強請る。振り返ると、初めて会った時と同じ、冷たい瞳が俺をみていた。
ユキとそっくりの、人を人と思ってない目だ。
背筋がゾクゾクと泡立つ。俺を人間だと思ってない瞳に欲情するなんて、俺も大概狂ってるよな。でもそれがどうしようもなく興奮するんだ。
ユキのことを考えなくなるくらいに。
「修哉」
千隼が俺を呼ぶ。同時に、硬くて熱いのが俺の中へ入ってくる。俺と千隼は多分、ものすごく相性がいい。千隼の全部がとにかく気持ちよくて、だから苦しい行為も嬉しかった。
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