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 絵を描きたい。  自分の絵を作品の表紙や挿絵に使う人を見る度、憧れが止まらない。止まらなさ過ぎて狂おしい。  素敵だと思うのだ。  自分の世界観を文字だけでなく視覚にも訴え掛けるなんて。表現に厚みが増すし、伝えたいことをより正確に描写できる。あとなにより芸術っぽくなってカッコいい。  なので僕も絵を描こうと思った。  だって絵を描けるとカッコいいし、作品の表紙とかがカッコいいと全体的にカッコいい。カッコいい作品を創れるということは、人間としてカッコいいという事だ。カッコいいという事はつまり何にも勝る事なので、カッコいい人間には富も名声も全てが集約するハズ。富と名声を手に入れた人間は、それ即ちカッコいいと言わざるを得ないのだ。  そして僕はその絵の素敵さとカッコ良さが誰かしら偉い人の目にとまり、あれよあれよと言う間に世間が僕の才能に気付いてしまい、画伯になるのだ。  画伯になってどうなるのかは知らないけど、でもとにかくもう画伯になってしまうのだ。  今まで良くしてくれた友人達よ。どうやら僕はもう文化人への仲間入りが確定したようだけど、君達との友情はいつまでも忘れないよ、ありがとう。  という事で、中学生以来だろうか、絵を描く事にした。  描けると思うのだ。  カッコいい人間はカッコいい絵が描けるハズなのだから。むしろカッコいい絵はカッコいい人間にしか描けない。逆を言えばカッコいい人間はすべからくカッコいい絵が描けるべきなのだ。だから僕は描けるハズだ。  世界よ、これが才能だ。早く気付けアホンダラ。
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