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 しばらく台詞がなかった巡査が(ところで、巡査はまだ部屋にいた)、ここぞと口を挟む。 「本官にお任せください!」  巡査は、すかさず無線で本部に連絡をする。 「あ、ぼくだけど、あのさぁ、アレ持ってきて。ほら、防水の布で前がジッパーになってる黒い袋・・・そうそうアレを入れるやつ。ん?どこにあるかって?遺体安置所の倉庫にあるんじゃない?サイズ?結構横幅あるから、LLサイズ?・・・違う違う!アレを入れるんじゃないんだ。まあ来たらわかるし、若いの3人くらいに防護服着せて・・・うんうん、よろしく」  しばらくして、例の防水の袋が届けられた。防護服の警官が、必死にもがく巨大なArmadillidiidaeを苦労して袋に入れると、博士と助手と共に階段を降りて行った。母が助手に、お紅茶でもお入れしましょうか?と言ったが、断られた。諦めきれない母は、電話番号を書いたメモを助手の手に握らせた。
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