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例の防水の袋に入れられたArmadillidiidaeは、国立科学博物館『節足動物研究室』に搬送された。博士は全身の写真をくまなく撮り終えると、メジャーで各部のサイズや体長を計測した。助手がクリップボードに紙を挟み、書き取っている。
「幅が・・・97cm、長さ・・・173cm・・・う〜ん、ちょっと丸まってるな。君、これを伸ばしておいてくれないか?」
「え?素手でですか?」
「そこに手袋あるから・・・あと、血液検査するから採血して」
助手は青い手袋をはめた。(赤い血液がついても濃い紫色になって恐怖感が薄れるように医療用の手袋は青い)
「博士、採血ってどこから?」
「お腹んとこの体節の隙間から18ゲージの針を適当に刺したまえ。ドロドロの液体が引けるから」
(節足動物は開放血管系である. 背側にある管状の心臓から血リンパが体腔をドロドロと循環している. 蛾の幼虫などでは心臓の拍動が透けて観察できる)
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