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検査室から助手が戻って来た。博士は、触覚を曲げたり、複眼にライトを当てたり、興味深げに調べていた。
「おお!見たまえ!口吻が左右と上下にも開くぞ。こんな構造の節足動物は知られておらん。君、これは間違いなく新種だ!」
興奮した博士の様子に、若干引き気味に助手が言った。
「ところで博士、このArmadillidiidaeは、どうやってあの部屋に上がって来たんでしょうね?」
「うむ・・・この体長ならあの階段をノロノロ這い上がるのは可能だろう。だが、おそらく小一時間はかかる。家族が気づかないはずがない」
「あんなのが階段登ってたら、大騒ぎですよね。そう言えば妹さんが発見した時、ドアは閉まってたんですよね?」
「そのようだが・・・そして、あの高さのあるベッドに自力で這い上がれるだろうか?」
「ムリでしょうね」
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