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「そうなると、誰かが部屋に持ってきたとしか考えられませんね」
「もちろん母と妹ではあるまい。となると、グレゴール君しかいない」
「あの大きな虫をひとりで?しかも・・・」
「・・・素手ではないと思うぞ」
「もしかして・・・」
助手はスマホを取り出し、ポケットからメモを取り出すと、電話をかけた。
「まあ!先生ですの?お電話いただけると思っていましたわ!今晩なら・・・」
「いえいえ、お宅に伺うわけではないのですが・・・」
「あらら?」
「グレゴール君、まだ戻ってらっしゃらない?・・・そうですか・・・ところで、お母さま・・・なるほどなるほど・・・わかりました、ありがとうございます。いえ、ですから今晩は伺えません。はいはい、いずれきっと・・・」
博士はいぶかしげに助手を眺めた。
「人妻とアヴァンチュールかね?」
「まさか。どうやらグレゴール君、このArmadillidiidaeを拾って飼っていたみたいです」
「そうなのか?」
「ええ、本人はカブトムシの幼虫だと信じていたらしいですが」
「まだ小さいうちに部屋に持ち込んで、飼育していたのか」
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