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 巨大なArmadillidiidaeは、ついに動かなくなった。博士と助手は節足動物をストレッチャーに乗せると、CT室に向かった。 「このArmadillidiidaeはグレゴール君に飼われていた。そして、巨大な成虫に成長した。発見された時、ドアも窓も閉まっていて密室だった。そして、部屋にいるはずのグレゴール君はどこにもいなかった」  プーンと音がして、撮影が始まった。モニターには、巨大な節足動物の頭から、徐々に断層画像が映し出されていった。 「見たまえ。このArmadillidiidaeの口吻は、上下左右に大きく開く独特な構造になっている。つまり、食物を丸呑みするのだ。しかも、かなりの大きさの獲物でも・・・」  モニターに次々に映し出される画像が、節足動物の消化管の内容物を明らかにしていった。 「君、リダイアルして母親に伝えなさい。ご子息が見つかった、と」 〜終わり〜
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