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道路から離れているのに、どうやってバイクがやってきたのだろうか。
そのバイクが俺から箱を奪おうとしたので、俺は目を開くと、相手を見た。
「君は誰だ?」
「あ、眠っていなかったのか…………俺は、八起の兄だよ。失敗作だけどね」
俺に兄がいたとは知らなかった。しかも、その男には、背にも手が付いていた。前の二本の手でバイクを運転し、後ろの二本の手には、刀と銃を持っていた。
「俺を殺しに来たの?」
「…………どうして、殺すの?兄だと言ったよね??????俺は八起の兄だよ!!!!!兄ちゃん、分かる?」
やっと、獅子神事件の全容が分かってきたのに、ここで、又、厄介事を考えたくない。兄だという言葉は、忘れておこう。
「八起の事をやっと見つけた。それなのに、近付いてはいけないと言われた…………でも、八起が目覚めたら、会ってもいいって」
「誰に言われたの?」
男は口の端で笑うと、俺に向かって銃を構えていた。
「素直に眠っていなかった事といい…………攫うのは苦労するかな…………八起。俺は失敗作でさ、感情がコントロールできない」
そこが失敗なのか。後ろの多い二本の手が、失敗なのかと思っていた。それに、この男からはアユミの匂いがするが、地球人の匂いがしてない。
「兄弟は血の繋がりではなく、何?」
「…………運命の繋がりだよ」
これは、とてもヤバイ人のような感じがしてきた。
「アユミには、まだ何かあるのか…………」
「この界の理があるのさ…………」
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