第三十七章 笑顔は箱の中 二

8/10
前へ
/465ページ
次へ
 後日  その週末、黒瀬はアイランドローズで尻薔薇を咲かせた。  それは、とても綺麗だがグロテスクな薔薇で、黒瀬の内側から湧き出るように、赤く咲いてしまった。そして、デモンズは歓喜し、黒瀬を妻として、一生愛する事を誓った。 「黒瀬さん…………」  そして更に黒瀬は、一体の悪魔を産んだ。その悪魔は、黒瀬をマザーと慕い、黒瀬の身体を元通りに治し、キープさせた。  不老不死から逃げてきた悪魔だというのに、宿主には不老不死を望んでいしまう。それは、この界を歪めてゆくのかもしれない。 「しかし、黒瀬さんのファンは多いな…………」  既に黒瀬の写真集のような、動画集が売買されていた。  アイランドローズでは、黒瀬は海の中で結ばれ、夜はその美しい肢体を、存分に月明りに晒した。そして、デモンズの手によって更に開かれ、奥まで晒した。  デモンズは、結婚指輪を用意していて、砂浜で激しく黒瀬を突き上げ、結ばれた所で黒瀬の指にはめていた。  そして、その時、ジャッジも黒瀬の本体を中間層から引き寄せて、合体させた。  黒瀬の姿は初めて男に抱かれた夜とリンクし、そして定着した。 「結果として、八起は黒瀬さんとデモンズさんの消滅を救ったのですよ」  ジャッジはそう言うが、俺はどうにも罪を感じる。  黒瀬はデモンズとパートナー契約し、それは薔薇と茨が承認した。 「え?パートナー契約は、薔薇と茨の承認が必要のか?」 「薔薇と茨のパートナー契約は、世界中で有効ですからね」
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加