クリスマス・イブにサヨナラ

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クリスマス・イブにサヨナラ

───クリスマスイブにデートしよう 2人で鍋をしながらテレビを見ていると クリスマス特集をやっていて それを見ながら私は陸君に提案した まるで突然思い立ったかのようにできるだけ自然に ・・・・何日も前から考えていたことだけれど ───デートしないんじゃなかったの? 陸君は何度かデートに誘ってくれたけど、 その都度私が「私たちには必要ない」と断っていたので 私の突然の提案に陸君は不思議そうな顔をした ───クリスマスくらい恋人らしいことしよう?あ、恋人じゃないか そう、恋人じゃないけど最後くらい恋人らしいことしたい 思い出にね ─────わかった。楓さん行きたいとこある? ────うーん・・・じゃあ恋人っぽい所? ───俺わかんないな ──駅前のクリスマスツリーの前でまちあわせして ───で? ──うーん・・・イタリアン食べて ───イタリアン食べて? ────────ラブホテル ────え?笑 ──イタリアン食べてからラブホテル ───それ女の人が言う?笑 ──今更?私なら不思議じゃないでしょ ─────そうだね 陸君が鍋から具を器に入れながら笑った 私達は愛し合ってるわけじゃない お互い利害関係が一致してるからからだを繋げているだけ それは最初から分かってることだし それ以上でもそれ以外でもない それ以上になったらだめ だからせめて最後は恋人っぽく過して 私の始まりそうな恋を成仏させて気持ちよく旅立ちたい そんな気持ちを心に秘めたままその日の準備をした
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