クリスマス・イブにサヨナラ

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「彼とは翌朝別れて、東京まで移動してそのまま渡米してきました。」 「そうか。その後彼とは連絡は?」 「いえ。今年の正月にハガキを出して春に返信が来たくらいで連絡は取ってません」 こっちに来てから携帯は変えたからお互い連絡先は知らないし 私は陸くんの東京の家の住所を知らない もう多分連絡はお互いするつもりもないだろうし 「それからお前は克服できたのか?」 「わかりません。こちらに来てから誰とも恋をしてないしセックスもしてないから」 「・・・だから俺で試そうとしたのか?」 「彰さんのこと、尊敬してるし好きだし」 「クライマーとしてだろ?」 「抱いてもらったら男として好きになるかもしれないじゃないですか。陸くんの時のように」 「いいか楓。なにを焦ってるかわからんが、俺だってお前のこと好きだよ。クライマーとしてな。お前は焦らなくてもちゃんと恋できる。好きで好きで抱かれたい相手に抱かれてればいいだろ?」 「彰さんは、私を女性として好きになったら私を抱きますか?」 「ああ。お互い好きな気持ちが重なればしたくなるもんだ」 「そっか」 「ほら、寝るぞ?お互い飲みすぎたな。早く寝ないと危ない目みるぞ」 「ダニエル帰ってこないからまだシてるかも」 「マジでアイツら説教だな・・・しょうがない、こっちの部屋で寝ろ」 「一緒のベッドで寝ていいですか?」 「ダニエルのベッド使って寝ろ」 「ダニエル戻ってくるかも」 「戻ってきて自分のベッドにお前がいたら、ノアの所に戻って寝るだろ」 「抱きしめて寝て欲しいです」 「今一緒のベッドに寝たらお前、俺の事襲うからダメ」 「しませんよ。彰さんの匂い好きだから匂い嗅いだら安心するんです」 「いいからダニエルのベッドで寝ろ・・・・ほら」 そう言って私を引き寄せ彰さんは私を抱きしめた 「今のうちに俺の匂い嗅いで、満足したらあっちで寝ろよ?」 「はい」 私は少しの間彰さんの胸の中で匂いを嗅ぎながら陸くんのことを思い浮かべていた 今年の春陸くんからハガキが来た 健人くんと両想いになり 2人の夢を叶えるための大学に合格し2人で東京の大学に進学したと 一緒に暮らすことになって、幸せに過ごしていると だから楓さんも好きな人が出来たら怖がらずに前に進んでくださいと 陸くんには幸せでいて欲しい。ずっと。 そう思いながら私は彰さんの匂いに包まれ安心したまま意識を手放した
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