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アルコールが回りぼうっとした頭の中で、僕の作り出したフナオさんは柔らかい顔で喘いでいた。彼女の出す声からは普段とは違う意味を持ったため息が溢れ、快感から逃れようと体をくねらせていた。粒になった汗がフナオさんの首筋を重力に従って流れる。彼女の黒いロングヘアは乱れ、汗によって顔に張り付いていた。その髪をどけるとフナオさんは僕に優しく微笑む。唇を重ね、口を開けると彼女はそれを受け入れるように濡れた舌を絡め僕を求める。はしたない音を立てながら唇は離れ、彼女は、僕だけの彼女は、再び微笑む。
気が付くと恋愛ドラマはとうに終わり、テレビの中では深夜のバラエティ番組で司会のお笑い芸人が笑っていた。股間に嫌な感触を覚え確認すると、確かに僕は射精していた。ため息を吐きながら風呂場へ行きそれを洗い、履いたばかりのパンツとスウェットを山になった洗濯物の上に投げると、また別のパンツとズボンを履いた。その後、電気を消してベッドに入ると未だに収まらない欲求をスマートフォンの動画で満たし、ゴミ箱に新しいティッシュの塊を三つ追加した。
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