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「そっか。だったらちょうど良かった。ザンギ作ってほしいと思ってたんだ。簡単だろ。材料買ってきてやったんだぞ。
鶏肉って、いろんな種類あるって知ってるか?ザンギは鳥モモって肉使うんだ。きちんと間違えないで買ったからな」
まるで通じない返事に私はキレた。
それに、ザンギ-唐揚げのどこが簡単なのよ。私、作ったことないんだけど。今までだって、肉野菜炒めや魚を焼くのがやっとなのに。
「はぁ?何が簡単よ。
簡単なら自分で作って、私に食べてってくらいできるんじゃないの。
私、通いの家政婦じゃないんだけど。なんで、言うとおりに家事しないとならないのよ!」
褒められると思っていたらしい彼は、唖然とした表情の後、私を睨んできた。
「俺といたいって言ったの、おまえだろ。それなら、頼んだことくらいするの当然じゃないのか」
自分の都合のいい部分だけ言ってくるしろちゃんに、私も睨み返した。しばらく睨み合ったけど、私はそのまま彼の部屋を出た。
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