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・まずクラウディアの容姿が違う
(腰まであるサラサラの銀髪で紫の瞳なのは同じだけど、原作のヒロインは今のクラウディアみたいに背が高くなかったよね……?)
たぶんだけれど、クラウディアはヒールを脱いでも170センチは越えていると思う。それにあんな涼やかな美女!って感じじゃなくてもっと可愛い系だった気がする。
・そしてヒロインと悪役令嬢はただのクラスメートだった
(原作だと悪役令嬢はヒロインを大していじめもしなかったけど、当然仲良くもなかった……と言うか悪役令嬢けっこう空気だったんだよね。イベントの時だけぽっと出てくるって言うか。だから「伏線の張り方が甘い! こんなの悪役令嬢と言うよりモブだ!」ってレビューで叩かれててさぁ)
・極めつけに私は王子になんの感情も抱いていない
(いや、でも原作の私も王子のことはそんなに好きじゃなかったかもなぁ? この辺はシナリオが穴だらけでよくわかんないんだよね。あ、でも婚約破棄されて次の恋がすぐ見つかってたってことは悪役令嬢も王子のことは別に?って感じだったのかなぁ)
まぁとにかく転生したことに気づいた私は即行で自分の運命を受け入れ全力で現世を楽しむことに決めた。
そして迎えたオープニングイベント。クラウディアの留学初日。
もうね、鼻血噴くかと思ったよね。ナニって、クラウディアの美麗さに。
スラリとした女性にしては高めの身長に長い手足。銀糸の髪の毛。同じ色の睫毛。太陽が沈む直前の空のような紫の瞳。紅い唇。
私と同じ白のワンピース型の制服を着ているはずなのに、月の女神様みたいに神々しかった。
「あの! 初めまして! ゾフィーネ=パソスと申します! どうか私とお友達になってください!」
「……初めまして。エルフの国の王族として人間界の文化を学びにやってきました。仲良くしていただけたら嬉しいわ。よろしくね? フィーナ」
隣の席に座った途端ここぞとばかりに手を差し出した私に、切れ長の目を見開いたクラウディアはそう優しく応えてくれる。
(おおおん! 美女のハスキーボイスの破壊力! 見た目だけじゃなく声まで美しいとかさすがヒロイン! さすがエルフ!)
あの日から約一年。私はずっと悪役ではなく、親友という立場で彼女の恋を見守ってきた。
クラウディアは特に誰とのフラグも立てていないみたいだったけど、私がさっき婚約解消を告げられたということはクラウディアはきっと第一王子ルートに入ったんだろう。
そう思ったのに。
そう思ったのに、どうしてこうなった?
え、なに。まさかのバグですか?
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