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プロローグ
「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
私、花園 那奈と三浦 翔は『運命の相手』と出会い、苦難を乗り越え結ばれた。
2年後に二卵性の双子が生まれ、息子に心、娘に香と名づけた。
先に生まれたお兄ちゃんの心と妹の香は、何をするのも同じで、笑うのも泣くのも同時、寝るのも起きるのも同時。
線で繋がっているのかと思うほど、同じなのだ。
子育てはもちろん二倍。
1人でも大変なのに、2人……しかも同時。
でも、泣き止むのも、寝るのも同時なのは助かる。
夫の翔は仕事を終え帰って来ると、
「ただいまぁーパパでちゅよー」
と、デレデレで1人を軽々と両手に抱き、なぜか両側から手を伸ばされ頬を押さえられると言う日課になっている。
両側から頬を押され、口を尖らせて「なんで?」と私に訊くが、笑うしかない。
理由は心と香にしか分からない。
もしかすると、1人にスリスリと頬を寄せるのが嫌なのか?
まだ赤ちゃんの2人に、そんな意思はないと思うけど、不思議な光景。
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