ゾクゾク仮ゾク

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「なによん。もう終わりなの?」  おっと、そう言えばもう一人いたな。  さっきまでベビーベッドに寝ていたその者は、純白の翼を広げ、膨れた顔で私に抗議してきた。 「あっくんに娘になれって言われたから張り切って演じるつもりだったのにまさか寝てるだけだなんてねん。正直拍子抜けしたわん」 「お前から『面白そうだからアタシも混ぜて』と言ってきたのだろう。私としては赤子など別に人形でもよかったのだがな」 「とか言ってアタシの寝顔を見てキュンキュンしてたくせに」  天使は私に密着させた人さし指を回しながら甘えるように言った。 「ねえ、次は恋人ごっこでもしてみない? どんな()がいい? あっくんの好みはやっぱり小悪魔系?」 「悪魔と恋人ごっこがしたいとは。もうすっかり堕天使だよお前」  END
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