2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごちそうさまでした」
「食べたんならとっとと行きな」
「行きなって、どこへ?」
「決まってるだろ。仕事にだよ」
「いやついさっき帰ってきたばかりじゃ」
瞬間、鬼はテーブルを叩き割った。
「あれっぽっちの稼ぎで足りると思ってのかい!? もっともっと額に汗水足らして稼いでくるんだよ!」
物凄い剣幕でまくしたてる鬼に対し、私は表情ひとつ変えずに言ってやった。
「もういい。終わりにしよう」
「……え? 終わり……ですか?」
「ああ。“家族ごっこ”は終了だ。ご苦労だったな」
私は懐から煙のような気体の玉を取り出し鬼の奴に手渡した。
「これは報酬の“魂”だ」
「や、こりゃどうも」
最初のコメントを投稿しよう!