ヴァニティ

2/4
前へ
/4ページ
次へ
 で、由美はセックスフレンドたちと手を切って誠に告白しました。誠は喜んで受け入れました。実は彼は一年生の時から噂で由美がヤリマンだと知っていたものの御多分に漏れず見た目を重視してとても好きなのでありました。ですから彼は初めて由美の手を握った時、大感激しました。彼女は顔も然る事ながら手が女性らしく非常に綺麗でありましたから猶更です。正に白魚のような指をしていまして、誠はこの穢れを知らないような可憐な手で何人もの男の陰茎を弄んだのかと思うと、彼女の手を握りながら何故、黒くならないのか不可思議になると共に甚だ堪らない気持ちになり、頗る興奮するのでした。そしてヤリマンだったのに何故、こんなにも顔も手も綺麗であるばかりか上品であるのか、誠は全く以て不可思議になるばかりでありました。顔や手がそうならレッグもバストもウェストもヒップもと興味が湧き、情欲をそそられるのが男というものです。ところが、誠は奥手な男ですので中々積極的にはなれませんでした。  由美はそれが何より物足りなくあの手この手で誘惑してみるのですが、到頭、高校卒業するまで誠と肉体関係を持てませんでした。ですから彼女は仲を断っていたセックスフレンドとやりたくなることが屡々ありましたが、やれば黒くなってしまいますから我慢して高校卒業後、欲求不満の儘、地元スーパーマーケットの化粧品売り場の店員として働くこととなり、誠は都会の場末にある一流大学に入学しました。  で、裕美は週に一度の休みの日に誠の住まう寮に遊びに行くようになりましたが、都会には田舎にはない歓楽街があり、若者に害毒を及ぼす物が多く存在する所為で或る時、由美はいかがわしい看板に目が留まってしまいました。それにはマイアエステティック日収3万以上とありました。言わずもがな性感マッサージの仕事の求人広告です。  由美は今の仕事より2万以上多いですから拝金主義者だけに目を見張りました。おまけに田舎にはなく誠には求められない刺激を都会はこれでもかと言う程、提供し、況して性感マッサージとなれば、多大な刺激を提供すると共に自分も多大な刺激を味わえますので刺激に飢えていた彼女は、是非やってみたいと意欲的になりました。結局、面接を受けた所、面接官に君は必ず売れっ子になれると太鼓判を捺され、即採用となり、経営者が用意してくれたマンションに住まうことになりました。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加