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「どいつだ……」
真っ黒に汚れたシーツの隙間から腐敗した肉塊がはみ出し,大量の蛆虫が波打つように溢れ出した。
枕のように転がっていた少女の頭も腐敗して真っ黒になり,大量の蛆虫が口や鼻,目や耳から溢れ出していた。
「俺のコレクションを狙ってるやつに違いない……」
湿った布団から見える何本もの腐った腕は,まだ幼さの残る細く華奢なものばかりで,高く積まれた雑誌の上にはいくつもの頭がコンビニ弁当の容器の上に置かれ,まるで彼女たちの身長に合わせているかのようだった。
少女たちの頭はミイラ化しているのもあれば,まだ比較的新しく,腐敗とともに大量の汁が垂れて弁当の容器を溢れさせているのもあった。
「ふざけんな……全部俺のだ」
家の周りには顔の潰れた少女たちが自分たちの身体を探すように彷徨い,部屋の中で自分たちの身体を玩具のように扱っている男を呪うかのように窓や換気扇に爪を立てガリガリを音を立てた。
「くそ……鼻血が止まらねぇ……」
鼻の奥から流れる血とともに蛆虫が這い出し,咳をすると小さな肉片が飛び散った。真っ赤に充血した眼が雑誌の上に置かれた少女たちを睨みつけた。
「ここにあるのは全部俺のものだ。お前らは全員俺の所有物だ」
小さな乾燥した指をしゃぶりながらヘッドフォンをし,コントローラーを握りしめると,パソコンのモニタに目を向けた。一瞬,真っ暗になったモニタには男の身体にまとわりつき,首を締め,眼や鼻に噛み付く憎しみと怒りに満ち満ちた少女たちが映し出されていた。
「ちっ……腹減ったな……」
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