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「もちろんこれから二次会ですよ!」
「どこ行くの?店決まってる?」
対面した事でみんなが口々に喋りだしたから、大きな輪が入り乱れたと同時に、篠宮が私の方へ近づいて来た。
「具合悪かったんだって?」
ポケットに手を入れたままの篠宮が、目の前で立ち止まる。
「あぁ…うん」
そうだった…。
ホールを出る時目が合ったんだった。
聡君に付き添われる私を見て、どう思っただろう。
"いつまでも未練がましいヤツ"とか思ってたかもしれない。
さっきまで聡君と江名を見送っていた篠宮の手前、なんだかバツが悪い。
「ちょっと酔っただけなの。もう治ったよ」
「ふーん…」
……あれ?
いつものように揶揄われるのかと思ったけれど、何も言わなかった。
何?
なんだか、また調子が狂うんですけど…!
「じゃあ、これから二次会に行きまーす!みんな僕について来て下さーい」
ムードメーカー須田君が片手を上げて大きな声で叫ぶと、みんながワイワイ言いながら歩き出した。
「お前も行くの?」
「うん、行くよ」
「そんな顔で?」
「え?」
篠宮がいつになく真面目な顔をして、私を見つめる。
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